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かわえうた

言葉にできないものを歌にするのが自分の一生の目標 minako kawae

0919:やしろ☆夜の水槽に放たれた泣き虫グッピー 

Live cafe & bar アクアリウム
3周年記念 Special Live 5th Night

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出演
伊藤和哉(東京)

江藤佑樹
あいこ
川島かずき
大塚ゆう。(大阪)
やしろ(大分)



■やしろ(谷代悠)

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1.暁
ギターをやわに掻きむしるようなストロークと静かな歌からは、生まれたばかりの「光」を感じる。
やしろさん(以下、ハルさん)の独特なメロディと「フォー!!」と叫ぶ鳥の雄たけび。
「よく来たねハルさん!」の「(ハルさんいわく)箸休め」スタート。
とにかくギターの音色がいい。年季が入って上手くなってるのはもちろんだけど
声そしてハルさん自身との、馴染み具合(?)がとても良いのが素直に伝わり感じられる一曲目。

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私の唄は決してポップにはならないけれど、
音が言葉が落ちてきた時の気持ちは、このように明るくありたい。

(谷代悠)


2.グッピーが泣く
この音数の少ないバッキングと「弾き語り」ではなく「語り弾き」に近い見事な音の選び方は感心する。
ただその使い方が歌詞と絶妙なバランスをとるので、例えるなら・・・

サム・ペキンパーの決して早くない動きにあえて使うハイスピード撮影
神代辰巳のストップ・モーションと、そこにかかる粋なタイトル
深作欣二の手持ちカメラと高感度撮影による荒々しいフィルム画面
テレンス・ヒルの照明をたくさん使った真っ暗なナイト・シーン

あざとさや、ええカッコしいの見てくれ重視ミュージシャンは一笑するようなカッコ良さ。

水の中にいて分からないけど本当は泣いているかもしれないのと、
人間も笑っているけど知らないうちに泣いてるのかもしれないことは等しく感じた。

(谷代悠)

ほんの少し震える拳を開く
心臓を貫いた喪う悲しみよ
何の力が有るっていうのだろうか
呆れるくらい何も無い あたしには

涙見せない 流せやしないと
何がそんなに奮い立たせるのだろう
鱗が剥げても尚上へと行く
痛みと共に泳ぐ姿は美しい

翻す鮮やかな全身
水槽の世界はこの両手に収まる
でも嘆かずこうして生きている
そしてここで生きてゆくのだと
切に教えている

吐き出せない想いの丈が
命を止めてしまうものならば要らない
何も知らない 気づかないまま
誰もが大声あげて泣いているの
かもしれない

涙見せない 流せやしないと
何がそんなに奮い立たせるのだろう
鱗が剥げても尚上へと行く
痛みと共に泳ぐ姿は美しい

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3.寝惚けている
「この景色がライブだな~!」とでも言いたげな、楽しさいっぱいのステージ
照れ隠しのステージングでは語り尽くせない、ハルさんなりの幸せを感じたステージングでした。
70年代にウエストコーストでもなく、ドップリ中部でもなく
かといって東海岸にも居づらい音楽家が住み着いた、山奥のウッドストック程度の町
そんなケルト風味もホンノリ残るメロディが素敵な曲
もちろんドップリ日本の曲なんだけど、島国に納まりきらない脳内イメージがホンノリ。

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幸せな夢を見ることは滅多にない。楽しい夢も。
そういう夢を見ると悲しくなる。朝起きたら、終わってしまう。
・・・
どうせ寝惚けているうちに忘れて、また毎日に戻るのだから泣いてしまおう。
きらきらした夢は優しい音になった。

(谷代悠)



4.シェルター
グッピー同様の「語り弾き」
何処いらへんから、これらの音を拾い上げてくるんだろ?
楽曲つくりは、「歌いながらメロディーも一緒に・・・」と言っていたけど
感情と楽曲、感情とメロディ、感情とギターがとてもうまく繋がっていて
その間に流れる血液や、動きめぐる脳みそ、チリチリ伸縮する筋肉がひとつになって「歌」が出来てる
これは結構凄んじゃないかな・・・?
と聴きながら感じてたけど、本人には言ってない。

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誰もいない
音もなく
風もない
穏やかな海の底のよう
私だけ

触れさせない
奥の方
そっと撫でて許して愛でてゆく
誰とも約束はしない
ただ 空を見た
夕陽に唄
それだけでいい

最期には どんなもの瞳に映し
誰のことを思い出し
灰になっていくんだろう
優しい繭のように
揺り籠に揺られて
あたたかい腕の中を想う




5.今日に至るまで
今のハルさんの感情や環境に一番近いのかな?
音楽の波動みたいなものがガンガン伝わってきたんだけど・・・
それを書こうと思ってずいぶんイロイロ書きなぐってみたけど言い表せない。
なのでYoutube映像。
そして、ハルさんの追記。



ガードレールの下は崖で、
小さく川が流れているのが見えた。
自転車で坂道を下る時、
この緩くかけ続けているブレーキを離してしまったら、
私はこのままガードレールを突き破り自転車ごと転落してゆくのだと感じていた。

悲しく潰れてしまいそうな時、
どうしようもなく途方に暮れて自転車に乗り坂道を下る。
数分間の中で葛藤しながら いつも私はガードレールを見送って、
空を置き去りにして。
生きることを選んだ。

(谷代悠)

end



2番目、25分間の出番を終えて席に戻ってきたハルさん
今の状況での25分間、その疲労感はきっと想像を絶するものだったと思うけど
かえってきた「疲れた~!」って言葉からは
「楽しんだ~!」で副音声が聞こえてきた。

gupi8

その前後含め、ハルさん入れて計7組のアーティストの熱演
(ちょっとした事情があって、僕は最終組まえに退散失礼しましたが・・・)
SNSで送られてきた集合写真。
各ミュージシャンそれぞれの音楽が見事に写っててビックリ。
(跳んで流れて、他のミュージシャンが「処理」に四苦八苦するハルさん含めて♪)

オカモトリウム・・・!
アクアリウム3周年おめでとうございます。
でした。

僕の音楽ノートには、この5倍ぐらいの量を書き込んだけど
これが今夜のハルさんを心に留めるのに十分なだけのチョイスです。
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