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かわえうた

言葉にできないものを歌にするのが自分の一生の目標 minako kawae

1分間のおやすみなさい:第七十夜「三月生まれ」 



■第七十夜「三月生まれ」

三月になんとか滑り込みで間に合った七十番目の夜に「三月生まれ」
初めて聴いたのがCDだったのか?ライブだったのか?
も思い出せないくらいの「三月生まれ」
duoの「この星の鼓動」ライブでは、
バンド演奏ということもあって、8分30秒の長尺「三月生まれ」だったり
けっこう気分よく演りだすと、ぎゃんちゃんも結構跳ねる曲。

こういうジャズっぽい歌を、いまの歳になって唄っても(失礼・・・)
変に気取り過ぎることなく、クサすぎる色気を安売りしたり
高額ミュージック・バーでのライブみたいに
背広にネクタイっぽい「オヤジ乗り」には、決してならないとこが
さすがのバークリー育ち。

・・・なのか、天邪鬼なのか?
はたまた、「絵に画いたような弱気な三月生まれで、
前へならえはずっと先頭で腰に手のポーズ。
体が大きくて足の速い子たちを別世界の生き物のように思って
」・・・るからなのか?



歌詞はもう自分自身の曲なので
以前何度かアップしてますが
ちょうど今年も甲子園のスタートとかぶってるので
母校訪ねてぼそぼそ話した、この引用がやっぱ一番。

■山野楽器「 Jam Spot 」 2010/4 より

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校門をくぐると、急に懐かしい冬の匂いがして、それと同時に胸の奥の方でみるみる「あのこ」の感覚が蘇って、くらり。いつも自分だけみんなについていけてないような不安感。それをちょっとぶかぶかの制服に隠して、おぼつかない足取りで通った長い道・・・。
私の曲の中に「三月生まれ」という唄があります。大人になってしまえば生れ月なんて関係ない~!と思いきやそうでもなく、実はけっこう「三月生まれどうしのシンパシー」みたいなものが存在する(笑)。あぁ知ってるのね~あの気持ちを、というような。
もちろんしゃんとしたお子さんもいるはずですが、私は絵に画いたような弱気な三月生まれで、前へならえはずっと先頭で腰に手のポーズ。体が大きくて足の速い子たちを別世界の生き物のように思っていました。
そんな三月生まれのルーツを探しに、四半世紀ぶりに母校の町、武蔵小金井を訪れました。家は阿佐ヶ谷だけど社会科の教科書は「わたしたちの小金井」だった、思いのほか武蔵野の風情は私に根付いていたようで・・・久々に歩いたらなるほど納得。ふわふわ妄想ばかりしてた子供の私を、こんなにたくさんの木々が見守ってくれていたのか、と感謝したくなりました。中央線に揺られ往復2時間半通った道のりは、学校で友達とはしゃぎながらつくる世界、自分の中に逃げ込んで思いをめぐらす世界、その両方を教えてくれた。校内の桜は年を重ねて、さらにどっしりと根をおろしていました。

玉川上水が流れる武蔵野には柔らかな小春日和の陽射しが本当によく似合います。よく遠足でも行った小金井公園まで足をのばしました。だだっぴろい枯れ芝の上で、人々が思い思いに体を動かしていました。冬の散歩は色んな思いを連れてくる。夢見月・・・三月生まれは気後れしながら、そっと春を待つのです。


~ 川江美奈子 ~

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