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かわえうた

言葉にできないものを歌にするのが自分の一生の目標 minako kawae

0915:イイホシミチコ 「こんな自分だったなあ・・・」 

2020年9月15日(火)
「ラウンジサウンズ」
at 親不孝通り「ブードゥーラウンジ」

open19:00 start19:30
来場チケット)¥1500+1ドリンクオーダー
配信チケット)¥1500

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司会とDJ/ボギー
1.アンリ
2.イイホシミチコ

3.ウエムラ×ケンジ
4.キドリーヌ
5.鈴木拓也

(出演順)

● 唯一無二の言語感覚と作曲センスを持つ奇人SSW鈴木拓也。音楽を始めたての喜びのような衝動が残る印象的な歌を聴かすキドリーヌ。訥々と静かにロックが燃える弾き語りを聴かせるウエムラ×ケンジ。鍵盤とギターの二刀流で凛と歌うイイホシミチコ。甘えん坊な井上陽水、アンリ。(from ラウンジサウンズ)



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3月以来のライブなれど、半年も経つと思ってたほど感慨深くもなく
高田渡が延々と流れるなか、いつもの通り
DJボギーさんと出演者が紹介がてらの前説トーク
聞くこともなく良くしゃべる人が多い、それだけ何かが溜まっているのか滞っているのか、客に解らぬ話に膨らんだり、長くなりそうなところはボギーさんが巧みに入り込んで意外にサラッとスタート。
前回もそうだったけど・・・本日も残念ながら無礼千万、聴けたのはウエムラ×ケンジさんまでの3名のみ。失礼しての名残惜しい退散でした。

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で、2番手のミチコさん
以前のようにセンターにキーボード、左手にギターセッティング
・・・ではなく、センターがギター、左ちょい奥にキーボード。
これだけでもかなり印象が違う。


1.答えを知っていたとしても尚
◇また次のことは落ち着いて考えよう!(ミチコfrom twitter)

終演後SNSでつぶやいていた言葉と同じような印象が聴こえてきた演奏
「こんな時だから」「こんな時でも」と力んだステージも見られたなか
どっしりと腰が座ったキーボード・プレイ。
本当のところは解らないけど・・・強い大人はカッコいい。

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2.りんごあめ
◇沢山の人に来てほしい思いは確かにあるけど、ひとうひとつ確かなことを掴むことも、とっても大事だし、そうじゃなかったら、きっと続けてこれなかった(ミチコfrom twitter)

直前のDL販売もあり「今夜は聴けるだろな」とは思ったけど、特に飾ったMCもなく弾き語りでタップリ、どっぷり。初めてミチコさんを観た時に唄われた曲で、それから数年たって「変わったな・・・」というよりも、どっちかというと「別のミチコさん(イイホシミチコさん)」になってるんだけど、この曲を唄い続けてきてくれてることで、僕の中で続いてるミチコさん。


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3.あなたと一緒にいたいのは
ここからは「相棒」ギターと二人のステージ
終演後ミチコさんに一気にベラベラと喋ったのはこの曲のこと。前からずっと、そしてここ数年コツコツと絶えることなく真摯に唄い続けてることで、いまのイイホシミチコさんの楽曲がミチコさんのワクに実に気持ち良くカチッとハマり、全部の曲がするするするりと一気に僕の中に入り込んできた感じ。その感触がとても気持ちいい。ミチコさん自身が思う方向で曲が育ち独り立ちしているかどうかは分からないけど、まちがいなく「イイホシミチコ」の歌が出来てる。


4.ビューティフルワールド

ビューティフルワールド
ビューティフルワールド
ビューティフルワールド
ビューティフルワールド


といきなり唄い始めるちょっと変な感じの曲

ブックカバー滑るの押さえた手
紫陽花の柄
透明な窓の向こう
流れる景色
この世界にはじめから
違法ダウンロードも フィッシング詐欺も


もう、怖いものなしの歌詞の造りや言葉使いもミチコさんの魅力
こういうひとの楽曲は本当に信頼できる。もう「何でも来い」と耳の奥のスペースが広がってゆくのが解るし、会うたびにそこら辺を期待し始めたりもする。


5.触れる

とても怖い
ここは まるで 深い海の底の果て

あなたに触れることも
私を知ることも
だけど 触れたい

ぬかるみのような欲望ならば
いらない いらない

光が差す
そこは 浮かぶ
漂う
愛と名付ける

やさしく やさしく
包んで 私は
それを愛と呼ぶわ

冷たく尖った
ただ 自分を守るためだけの
言葉を吐いた

すべて 溶けてしまえばいいのに

やさしく やさしく 包んで

ほんとは怖い
ここはまるで深い海の底の果て

触れる 触れる 触れる

これをギターで聴かされるのは結構危ない。
自分で曲を作って唄うひとの「完成度」ってのはどんへんに存在するんだろ?そもそもそんなところがあるのか・・・?なんてことを聴きながら思いめぐらせていました。
「永遠にない」とかカッコつけて言うのは自分の曲に対して、そして聴かせる立場として無責任すぎると思うし、譜面で曲をつくり保存(?)するひとは、そのとおりに演奏し唄うことが出来ればひとつの達成感を味わうのか?でも譜面や歌詞を見ずに唄い演奏出来たって達成感はないだろうし、譜面や歌詞の行間との闘いはどうやって落とし前をつけるのか?
妙にウネウネした演奏と唄声に気持ちの急所を直に触られているようで、ミチコさんの曲はとても色っぽかったりもする。


6.レイン・レイン
◇すこし古い曲から最近の曲まで、やっと大切に歌えた気がする。こんな自分だったなあと、作った時の気持ちも感じることができた(ミチコfrom twitter)

明日になればまた あなたに会えるはずと
不安をかき消して ただ音に身をまかせる
rain rain あの空の向こうには 青空があることを忘れてしまう
cloud cloud なんのために隠した たった一人の自分を


ピアノ曲をギターにかえ、粋なバッキングを付けることで「生まれ変わった」というよりは「曲が叩き起こされた」感じ。ちょっと昼寝をしているうちに5~6年歳を重ねちゃったような奇妙な感じ。寝かせが凄く効いているけど発酵はしていない。どっちかというと冷凍保存の急速解凍に近いかも知れない。「フェリーニのローマ」に出てくる地下鉄の壁画のように、人目に触れた瞬間から溶けるように消え去っていく名画のような儚さもある。ミチコさんの「味」

end
 


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配信ありで、スタッフが抱えるカメラがステージ袖で座り込み。そのせいか?照明の当たりもいつもよりキチンとしてる印象をうけた、今夜の親不孝通りvoodoo
決して「今だから」ではなく・・・ライブ会場で熱くなりどこか燃え尽き完結し「パワーをもらった、明日からまた頑張れる!」って音楽なら、(僕には)もう必要ないかも知れないと思った夜でした。とても素敵な孤独と自分の世界を保つことが出来てる、今の環境と年齢。
ライブ会場に出かけて生の音楽を体の中のマイ・バックに詰め込み持ち帰る。それはさらなる刺激や事のきっかけになり、思いめぐらせ自分やその周囲の世界がまたひとつ充実し広がる。
その感覚、世界観はたまらなく快感で、思えば僕には「この曲が僕の一生を変えた(決めた)」なんて曲は存在していない。ただ曲を聴いたりライブに足を運ぶことで、いろんな事を考えることが出来たり、そういう時間、ひとときがたくさん生まれているのは間違いない。

と書いたとこで、愛猫が「ごはん!」と叫ぶ。

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