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- CATEGORY谷代悠 in FUKUOKA
0929 谷代悠:ちっぽけなプライド

MIX JAM
@天神プレアデス
2018年9月29日(土)
OPEN/17:30→START/18:00
TICKET/2500yen(Free Drink)

出演者(登場順)
①土田賢司
カラオケやボーカルのみのマイクパフォーマンス。出来がボロボロだったので(?)、会社のあんまり歌が上手くない若手社員のカラオケ大会に、無理に連れて行かれたオヤジのような・・・。
②un:rec
実に心地良く若さのあるギターとエフェクターの音色。考え抜いたであろう絶妙な音量と音圧のバランスは、しっかりとワンマンバンドとして成立していて、打ち込みバックに唄い演奏するミュージシャンのお手本のよう。ただ勉強したというより音楽に対する熱い思いがしっかり伝わる表現力は素晴らしい。しっかりと前に視線を据えて唄う姿も好感が持てました。
③谷代悠
④Roundsell
ボーカルはやっぱりミスチル(?)なれど、オリジナルの作品、演奏、MCすべてが誠意に満ちていて嫌味がまったくない。何かパーカッションが入るとチクッとする魅力が出て来そう。
⑤柴田トモアキ
相棒のギターをまるで見世物のように扱っている印象がマイナスで、音もちょっとうるさい。目が泳ぐステージングで、歌(歌詞)とメロディから熱が伝わって来ないので、素直に拍手出来ないのかな?
⑥久永真悟
今夜はラストで波音もなし、夏も終わったプイライベートビーチでしたが、台風のことも忘れ落ち着いて聴けました。何回か聞いて曲も覚えてくると、ちょっと曲の説明も聞きたくなりました。

■谷代悠
<SETLIST>
①境界線
②ワンダーフォーゲル
③ウヰスキー
④17:59
⑤音楽は逃げずに そこに在る
⑥お忘れ物のないように
まずは、お初の曲
1.境界線
こんばんは初めまして、谷代悠と申します
宜しくお願い致します。良くお願いします。

今日は台風の日でしたが、皆さんは無事に来られましたか?
来られましたね。
多分、台風に勝った人たちがここに残ったんだと思います。
前に歌った方はとても個性が強かったので・・・
いいですね、キャラが強いってのは強みですね。
負けないように頑張っていきます・・・。
次の曲の準備やチューニングをしながら
いつものように特に回答を求めないMC
ドイツ語で「渡り鳥」という意味の
2.ワンダーフォーゲル
今一番歌詞が気になる曲
悠さんが曲の中で
季節風にのって次の地を求めています
夕陽の中渡り飛んでいる先は
多分、具体的な場所ではなく
求め続けても、辿り着くことのない
心の在処のような、モヤっとしたところ
でも、唄っている悠さんをみていると
もうすぐ、そこにたどり着けるような希望を感じ
そんな心の中の灯りが、彼方に沈む太陽のように見え
思わず、もう暗くなっている東の空を振りむいてしまうような
先にある心地よい動揺に未来を感じる曲。
と、勝手に妄想。

いつ何時何があるか分からない時なので
悔いが無いように生きてゆくべし、生きていきたい
で、次は
夜明けの風景から始まる
「2年前の誕生日に初めてウヰスキーを飲んだ時にできた」という曲
3.ウヰスキー
僕を妄想の世界に引き込む悠さんの代表的な曲
好きだなぁ。
良く、お酒を飲んだ時にひとは本音が出るっていうけど
僕の痛い経験からすると
それは、しがらみを無視した我儘なだけの独りよがりで
むしろ素面の時に、周囲の状況や相手の意識をどの程度どう読むかで
かぶる仮面を選んで対峙する、その人間性みたいなものこそが
そのひとの本音だと思っているので
「酒の席だから」という言葉が大嫌いです。
など、どうでもいいことを考えながら・・・
4.17:59
いまだに「17:59(17時59分)」がどういう意味か分からない曲
多分もしかしたらそれは、楽曲と作者を繋ぐ糸のようなもので
もしかしたら聴き手には関係ない事じゃないのかな?と思えるので
聴き手(僕)なりの世界が勝手に出来ているこういう曲に関しては
もう、どうでもいいこと。
曲のタイトルなんて唄ってしまえばそんなもの
かな?
でも、良い曲だな本当に。
ステージの幕が取り外されたプレアデス
背景も黒一色、シンプルになり
ステージ上はかなりさらけ出される状況で
ドリンクも結構目立つ中
前の人がステージ袖のスピーカーの上に
缶コーヒーを置いて飲んでたのがカッコ良かったらしく
リラックマのボトルを置いてひと息つく悠さん
「ちょっと大人になった気分」らしい・・・けど
音楽に対しての「感謝状」みたいな曲です。
5.音楽は逃げずに そこに在る
音楽は逃げずに そこに在る
それに甘んじてる
あなたは言葉をさらす
私は沈黙を守る
・・・と唄い始まる曲
普通ではないし並でもない、牛丼で言えば「アタマ」
悠さんの歌詞作りの力量がしっかりと示される曲
心が熱をもつ。
こういう曲を「ラブソング」っていうのかな?
6.お忘れ物のないように
オレンジ色の「日暮里」も出てくる
悠さんが僕の「故郷」東京を唄ってくれた曲
メロディラインに「東京」が出て来るところに
ちょっとビックリした曲。
で、end
スピーカーの上にこぼしちまった飲み物を
ヤバめに拭き取りながらステージをスタコラと退散
今日のライブ「人間性」はたっぷり伝わったと思います。
子供じゃん。

この日の悠さんは長めのワンピース(?)に軽く白を羽織い
迷彩柄の靴を脱いで唄う立ち姿は
いつもの通り凛としているものの
ステージのバックライトが背中から照らすなか、
真っ赤なマニュキアを塗った素足がうっすらと透けて浮かび
決してフリードリンクのせいではなく
自信に満ちていて、表情も美しい
それは急に思ったのではなく、数年見てきた中での「変化」
MCでは、治療中でほとんど聞こえていない片耳のことを
まったく話さなかった悠さん
それは、最初の出演者がトチりまくりでごめんなさい状態だったことや
前の出演者のカッコいい演奏に何かを感じたであろう
悠さんらしい
「ちっぽけなプライド」であることは自身でももらしてる。
アドリブの上手い役者は、セリフを忘れても決してその場でアレコレ考えるのでなく
役に入っているからこそ、慌てることもなく、場に自然な言葉が出てくる
ゴダールの映画だって、決して思い付きや即興で撮っているのではなく
「映画」をきちんと理解し「映像」に入り込んでいるからこそ
観る人が「即興」と思うような、スリルにあふれた必然的画像を創り生み出す。
これは僕が20代に走り回ったプロの映画撮影の現場で
それを仕事にして生きているカメラマンをみて教わったこと
歌詞を忘れるということは決して観客に失礼なことではなく
その曲の生みの親として、楽曲への辱めのようなのもの
子を知る親ならば、そこに「無」は存在しない。
もし、恥じるなら自分自身を恥じる。
ただ、素晴らしい表現者は、それ以前に「ちっぽけなプライド」をもって唄ってる。
これは東京でずっと観て聴いてきた
仕事として唄っているプロのミュージシャンのライブで教わったこと。

「私は何と戦っているんだ」
「世界が一瞬にして亡くなる時、そこに立ち会いたい」
迫りくる列強、外敵との戦いはそろそろ終えるのかな?
その後に訪れる自分との戦い、内戦は造りの時。
嬉しいこと悲しいことが日々襲ってくる。
自己否定(疎外)から生まれたブルースも、やがては自己肯定に転じ
目覚め、自己形成に向かったという歴史があるように
いつの日も「音楽は逃げずに そこに在る」
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