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かわえうた

言葉にできないものを歌にするのが自分の一生の目標 minako kawae

9月6日の備忘録 

20110906

川江美奈子 twitter (2011/9/6)

*****

初めて海を見た少年みたいに
僕は目を開き手を広げて
うねりうねる波の果てに
小さな君と出会った

どうだい居心地は悪くないかい
僕は走り出してしまいそうだよ
くすぶってる世界中に
いますぐ君を見せたい

だんだん君は遠くなり
someday 僕を泣かせたりするんだろうか?
どっちにしても僕は君に
永遠にかなわないさ

生きるって、まだまだ謎だらけだ
素晴らしき人生
君がいる人生
去りがたき人生
君がいる人生に
oh thank you for this Wonderful Life

川江美奈子
「Wonderful Life」 より



大好きな子守唄にまつわる忘備録。
(つらつらと長い私的な文章です)

父が亡くなった頃、私には生後3ヶ月くらいの娘がいて、悲しみのなかにもやることがあった。
立って抱かないと寝付かない子だったので、ゆらゆらと立ったまま、真夜中ずーっと小さく歌をうたった。
毎日かならず歌ったのは「大きな古時計」、昔から大好きだったこの歌のおじいさんがいつの間にか私の中で父の姿になっていて、何度歌っても、どうしても私はこの歌を涙をこぼさずに歌い終えることができなかった。ディズニーランドの「カリブの海賊」のはじまりに、小屋の外でパイプをくわえてロッキングチェアに揺られてるお爺さんがいるのをご存知でしょうか…“パパはあんな感じになるぞ”と幼かった私に言っていた父は、犬と西部劇が好きでマイペースで、なんとなく古時計のおじいさんのイメージと重なるのだった。
あれから数年経って。さっき寝る前の娘が急に「ママ、おじいさんの時計の歌うたって。」とリクエストしてきた。子守唄のリクエストは久しぶり!おお、いいよ、と言って真面目にフルコーラス、2人の娘の枕元で歌った。またぐっと瞼の奥が熱くなったけれど、涙はこぼれなかった。父の不在に慣れたのか、とか寂しさを乗り越えたのか、とか考えたのだが、どうもそうではなくて、私がおじいさんに近づいているのだと気付いた。私は父を亡くしたことで、私もいつか子を置いてこの世を去る日がくるのだということを、多分この数年をかけて自分のこととして感じるようになったのだと思う。精神的に甘ったれだったので、今でも父に会えないことが私を心許なくする瞬間があるが、それよりも今は目の前の子供を安心させることのほうが重要なこととなった。そんなわけで私はもうこの歌を歌ってもたぶん泣かない。いつかずっと先に娘がそのまた子にこの歌を歌って、涙をこぼす日がくるかもしれない。それがあたたかいものであるといいなぁ…ともくもくと心を込めて歌うだけ。「この歌大好き。」と言って娘はあっという間に眠りに落ちた。パパ、あの赤ん坊がもうすぐ6歳ですよ!私は変わったような変わらないようなだね。いちいち言わないでもいつも見ているのかもしれないけどね、などとぶつぶつ語りかける夜です。

川江美奈子
from facebook (2017/8/31)






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Comment

Name - noboru  

Title - 上に同じです♪

僕も親にはなっていませんが
その分、お母さんになってからのぎゃんちゃんの唄や言葉からは
たくさんの感動をいただき、教えてもらうことが多い毎日です。
2017.09.18 Mon 00:44
Edit | Reply |  

Name - りんりん(九州の人)  

Title - わ~

私は親になってはないけど、
鳥肌の立つ言葉たちに今日感!…あ、共感(^_^;)

これ、聞きたいですね~( ´-`)
2017.09.07 Thu 12:18
Edit | Reply |  

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