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かわえうた

言葉にできないものを歌にするのが自分の一生の目標 minako kawae

武部聡志の SESSIONS 

JFN「武部聡志のSESSIONS」
2168
■JFN系FM13局ネット
日本の音楽業界で常に第一線で活躍してきた音楽プロデューサー・武部聡志が、
今をときめくアーティストやミュージシャン、映画、ファッション、アートなど
様々なジャンルからゲストを迎え、思いのままに音楽談義を繰り広げる対談番組。
https://park.gsj.mobi/program/show/27084



<川江美奈子>

20代後半にバークレーに留学
その前にはサークル活動から派生して
アカペラ界ではカリスマ的存在のグループトライトーンに4.5年在籍
同時期にゴスペラーズとかもいて
そこの村上君をサークルに勧誘したのも川江さん
春の新入生歓迎シーズンに
毎日通りかかって入りたそ~にしながらも
「俺は入らねえよ」と言って通り過ぎるひとがいて
「それがテツヤ君♪」
今となっては素敵なグループになった。

武部さんとはバークレーから戻ってきて出会う
プライベートの友達SSWの松本英子さんに
幼いころからレコードで名前を知ってた武部さんを紹介されて
一緒に作品作りを始めた
現在までほぼすべての作品を武部さんがプロデュース
また、SSWの側ら作家としても活躍中
(番組より)



■LIFE



武部さんの誕生日にプレゼントした曲
「武部さんは職人的なカッコよさがあると思う」
そんな武部さんの人生を春夏秋冬という感じで描いた曲

武部:僕のことをそういうふうに歌にした曲って
世の中にこの曲しかないもんね

川江:そうですか?

武部:そうだよ!

川江:貴重じゃないですか!


武部:川江さんは僕から見るとすごく私小説的な音楽?というか
ツラツラと曲を書いてる印象があるけど

川江:ツラツラと♪

武部:あの・・・俳句とか?そういうのを書く気分で
音楽を紡いでいってる気がするんですけど?

川江:なるほど、私あんまり架空の物語とかストーリーテラー的に
曲を書くことが得意ではなくて、
あと、人生の応援歌みたいなのを書くのが得意でなくて
根が暗いんで、その暗さをほじくり返して、練って練って
それがなんとなく曲になるっていう・・・感じですかね

武部:でも、川江さんの作り出す音楽とか歌詞の世界とかを
凄く共感を覚えてくれるアーティストの方がいっぱいいる訳ですよ
それで「曲を書いてほしい」とか
でもやっぱり音楽って不思議なんだけど
SSWの曲ってさ、その人が唄わないとその世界にならない
っていうのがあるじゃないですか?
でも川江さんの曲は、わりとほかの人が歌っても形になるっていうと変だけど
作家性が高いんだと思うんですよ

川江:そうですかね

武部:今まで知り合った人の中で凄く作家性が高いと思うのはユーミンなの
ユーミンは自分で唄う歌ももちろん素晴らしいけど
人に書いた曲でも、素晴らしい曲がたくさんあるじゃない?
川江さんもユーミンはだいぶ好きなの?

川江:はい。だいぶ好きです。



■桜色舞うころ



武部:じゃ、そんな川江さんの作家としての、提供した楽曲の
これは代表作でもありますよね
中島美嘉さんに提供した曲で、僕がアレンジを共にした作品ですけど
今日聴いていただくのは、その曲のセルフカバー
なので中島美嘉さんが唄うのとはちょっと違うかも知れませんが

川江:そうですね、最初のデモテープの形に一番近いんですかね

武部:これも人の出会いを春夏秋冬になぞらえて唄った曲ですけど
これは名曲ですね。後世に残る名曲だと思います。

川江:はい!
いつの季節に聴いてもいいように出来てるんで

武部:これ書いた時ってどうやって生まれたの?

川江:どうやって生まれたんですっけね~
良い曲っていうか、みなさんが好きって言ってくれる曲は
あんまり書いた時の記憶がなくて、
当時すっごく狭いアパートに住んでて
その作業部屋っていうのは、タタミ1畳ぐらいのとこに無理やりキーボードおいて
そこで夜中に書いた曲だったと思う
ただそこは景色がすごくいいとこだったので
窓から桜の並木が見えていて、そのお陰かなって思うんです

武部:でも、曲が生まれた時って、そこまで浸透する曲かって分かんないよね

川江:その当時は、できた曲をどんどん武部さんに聴いていただく
ってことをしてる中・・・の1曲で
いつもの感じで「はい!出来ました」って感じで出したら
武部さんは「おや?おや?おや?」って
「ちょっとこれは、もうちょっと詰めてみようか?」って

・・・・・

武部:歌詞ってなんどもなんどもこねくり回す?

川江:いや、そうするとだいたい・・・よろしくない感じになっていく

武部:メロディが先?歌詞が先?

川江:「桜色舞うころ」の当時は歌詞を先に書いてたと思うんですけど
だんだん同時になってっゆくようになって・・・
私自身もメロディに対して、日本語のイントネーションが
さらっとこう喋っているように聴こえるというのが理想的だなと思っていて
なので、どちらかというと唄いながらこう一緒に言葉を紡ぐってことが
最近多くなってきました

武部:そもそも音楽は何から始めました?

川江:ピアノを習ったのが最初ですね
でも、その以前に、
時代的に父親や親戚のオジさん達が、みんな家にギターが1本あって
歌本みたいなのをみて「この曲歌って」っていうと
なんとなくコードをじゃらじゃらやって歌ってくれるみたいな時代だった
ピアノの才能は凄くなくて・・・っていうか練習する才能が全然なくて
そんな中で自分の好きなユーミンの曲を
親がいないスキにこっそり弾きながら歌うマネをして

武部:それはユーミンのどの時期の?

川江:一番最初に自分で買ったレコードは「ボイジャー」?

武部:そのころ僕は既にステージ立ってましたね♪

川江:で、きっかけをくれたのは親戚のオジさんで
一式レコード持ってたのを「あげるよ!」って言ってくれたんですよ
それでもう片っ端から聴いて
「あ、このひと自分で言葉を書いて歌ってる」と思って
SSWっていう存在を教えてもらって

武部:じゃ10代のころから曲は作ってたの?

川江:いや、それはそうでもなくて
いざ作るとなると構えるんで
「書くときは完璧に書いてやる!」みたいな気持ちがあったのか
あんまりその当時はトライしてなかったですね
そんな中、小中学生のころはお金もないんで
レコードを借りてきて聴きあさる中
斉藤由貴さんの曲で武部さんの名前を見て
「編曲」っていうのはこれいったい何だろう?
いつもこの「武部」っていうひとは書いてあるけど
このひと一体何だろう?
と、思ってたのが小学生後半



■守ってあげたい



川江:サビのコード進行なんて、ホント良くある
上からおりてくるあのコードの流れの中で
こんなにいいメロディは、なかなか無いんじゃないか

武部:サビが三声のコーラスになっているのが凄く特徴的で
当時、こういうコーラスワークが前面に出ている曲ってあんまり無かった
頭もコーラスのサビ始まり
これこそ、本当に普遍的な名曲ですね。

川江:はい。そう思います。



■Birdland(マンハッタン・トランスファー)



武部:アカペラに目覚めたのはなんでなんだろうね?

川江:ニューミュージックといわれるものに影響を受けて
自分で曲を作って歌いたいんだけれども
バンドを組んで・・・みたいな勇気がなく
わりと根暗な学生だったんですよね
それで大学に入った時に、早速フォークソング部とかのドアを叩いたんですけど
なんかちょっとしっくり来ず・・・
そんな時「アカペラのサークルに来ない?」って誘ってくれた人がいて
そこに行ってみたら、私の中にハモリ好きなところがもともとあったのか?
フィーリングがピッタリ合って
そこから、ドゥーワップやジャズコーラス的なものを追及して行くようになりました
TAKE6が出始めたころで、私たちにとっては神様みたいな存在で
それを一生懸命耳コピして音とってコピーしてみたり
ストリートでライブをしたり・・・

武部:SSWのひとでも主メロしか唄えないで、
ハモるのがものすごく苦手なひとっているじゃない
山下達郎さんなんか、あれだけのボーカリストでありながら
ハモるの本当にすごいじゃない?
かと思えば、一青窈さんみたいにハモパート全く出来ないひと

川江:どっちも大切っていうか・・・
私自身は完全にセカンドで、トップを歌う人の下につく
「セカンド気質だね」って言われ、
私自身もそれに幸せを感じるっていうタイプなんですけど
メロディを歌うひとっていうのは
一青窈ちゃんみたいに、こうガーン!と自分を貫けないと
逆に周りもハモり辛いみたいなところがあって



■千枚の手のひらを



川江:この夏は鶴岡八幡宮のコンサートもあったり
珍しくいくつかライブをさせていただき
先日も弾き語りオンリーで割と長めのライブに挑んで
やっぱり、これは辞めちゃいけないなって、凄く思ったんですね。
やっぱり長く続けていると、いろんな形で音楽をしたくなるんですけど
武部さんと知り合ってから始めた「弾き語り」っていうのは
やはり私の原点だなって今は思っていて
そのスタイルを無くさずに
日常の中で想うことをどんどん歌にしていきたいなって思っています。

武部:なんか音楽っていくつになってっも出来るし
そのひとのペースで音楽を紡いでいけるのが一番

川江:いつだったか武部さんが
「とにかく続けるってことが大切だよ」って言って下さったことがあって
それを度々思い出しています。
そこで何か生まれた時の喜びを知ってしまうと
それがまた若返りにつながるんじゃないかと。

武部:じゃお互いにいつまでも音楽を続けていきましょう

川江:元気でいましょう!

end



rgtoool

お互い、ニヤニヤしながら
フムフムと話しているのがとっても良く解る
楽しくユルヤカな1時間でした。
音楽を仕事にしているミュージシシャンだから当然かもしれないけど
好きな歌の話しになると、夢中になって口が止まらなくなる感じが
音楽ファンとしては、僕らと同じ目線で楽しんでる部分も感じられ
そこいらへんが、あの観客にしっかり視線と感情のターゲットを見定めた、
見事なライブにつながっているんだと思う。
この二人はこれからも
僕らを裏切り、騙し欺き続けながら
僕らが一番聴きたい音楽で楽しませてくれるはず。
そして、僕らがそれぞれの人生にふっと想いをめぐらせるための
ちっちゃな余裕や、少しの時間を与えてくれるように思います。
それは、とても感謝すべきこと。

ありがとうございます。






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